ケース1 H.S 様
上顎は残存歯が無く総義歯、下顎も残存歯は5本で、部分床義歯を装着しておられました。人前での講演や社交の機会も多く、趣味も多い方で、まず上顎を審美的に改善希望でした。口腔内を拝見しましたところ、上顎の骨が吸収して義歯の安定が著しく低下し、会話時に容易に義歯が脱落してくる状態でした。まずは上顎だけでも義歯から固定式の補綴装置に、とのご希望がありました。レントゲン写真とCTを確認すると、上顎洞(空洞)が大きく、通法では植立が不可能なケースでした。ご相談の結果、インプラントはアストラテックシステムで8本を植立、上部構造は床付き連結固定式のネジ止めタイプに決定しました。手術は静脈鎮静法と言いまして、全身的な浅い麻酔を行ない、1日で8本を植立しました。骨が少ない部分はサイナスインパクションという技術を用い、人工骨も併用しました。所要時間は約4時間でした。翌日は腫れも少なく、お痛みもほとんど無かったようです。約5ヶ月後に上部構造を装着、快適に食事もできるようになり、多少硬いものも自分の歯のようにかめるようになった、とのことです。定期的に上部構造をネジ止めごと外し、クリーニング・メンテナンスを継続しております。