インプラント以外の治療法

私達は「何が何でもインプラント!」ではありません。
義歯・ブリッジをご提案することもあります。

インプラントセンターの中には、「何が何でもインプラントが絶対的1番!」と公言してはばからないところがあります。本当にそうでしょうか。歯科医療の偉大なる先人達が築いてきた歯科治療技術(義歯・ブリッジ等)は、インプラントの出現ですっかり古ぼけた過去の遺物となってしまったのでしょうか?私達は、そうは考えません。

必ずインプラントが一番?

本当の意味でベストな選択肢を率直にご提案します。

ブリッジ・義歯も優れた治療法です

ブリッジや義歯も、しっかりと精度を高く作製し、適切にメンテナンスを行えば、長期に経過させることができます。「ブリッジはダメになってやがて義歯となる」「義歯は5年で使い物にならなくなる」、という説明には少し脅しが入っていると思います。
老人ホームなどで患者様を拝見していると、「この義歯は15年前に近所のY先生がこしらえてくれたんだけども、ずうっと調子よくてねえ。とっても感謝してるんだよ。」と得意気に見せてくれる方もいらっしゃいます。

様々な治療法から最良を選択肢を提案します

私たちは、多角的に治療全体を捉えます。結果、「あなたの治療にはブリッジがベストです!」と提案することもあります。

インプラントは骨の中に歯根を入れるという構造から、最も永久歯に近い感覚が戻ります。確かに強い力で噛めます。ただし、歯周病で骨に全体的に大きなダメージを受けておられる方は、ブリッジや義歯がまさる場合があります。その時は決して「インプラントセンターなのにブリッジとは何ごとだ!」と憤らないようにどうぞお願いいたします。

歯を失った場合の治療法とその比較

部分入れ歯

歯が黄色い

失った歯の周囲の歯に金属の留め金をつけて、取り外しの人工の歯を留める方法です。一本だけでなく、数本失った場合も同様ですが、メリットとしては、素材によってお手軽にできることと、治療期間が短いことなどです。

一方、一番のデメリットは、周囲の歯に留め金をかけるため、健康な歯に大きな負担がかかることだと思います。
このほか、歯を失った部分の骨がやせたり、留め金が見えたり、義歯の洗浄だけでなく、支える歯の清掃も大事になってきます。もし、清掃性が悪かった場合には支えている歯が歯周病や虫歯になる可能性も出てきます。

総入れ歯

金属アレルギー

取り外し可能な人工の歯を顎の上に載せる方法で、一般的な治療法です。
しかし、この場合でも、顎の骨がやせたり、顎の骨がやせてくると、口元にしわがよりやすくなったりするデメリットがあります。

総入れ歯になると、部分入れ歯以上に、異物感があったり、食べ物が食べにくくなったり、硬いものがほとんど食べられなくなったり、浮き上がり外れる心配があったり、舌感が悪く喋りにくくなったりします。外に出ることがおっくうになったりして、老化にますます拍車を掛けることになりがちです。

ブリッジ

ブリッジ

失った歯の両側の歯を削り、冠を橋渡しすることによって失った歯を補う方法で、若い人なども多く体験している治療法です。保険も適用されます。

しかし、入れ歯同様に、周囲の健康な歯を削る必要があり、健康な他の歯に大きな負担がかかってしまいます。
また、ブリッジの場合、保険適用外の材料を選択すれば、ご自分の歯に近い見た目で、それまでの生活と同じく、ご自分の歯と同様に歯ブラシ洗浄するなど普段と変わりありません。しかし、やはり骨がやせたり、周囲の歯の状態が変わったりして、装着感が年と共に変わってきます。

持病がある場合のインプラント手術の可否

糖尿病で血糖値のコントロールが悪い

インシュリン依存性糖尿病の方で、血糖値のコントロールが悪い人は避けたほうがよいといわれています。糖尿病は身体の細胞のエネルギー源となるブドウ糖が細胞内に取り込まれず、血液中の糖が多くなる病気ですから、細胞は飢餓状態におかれることになります。したがって、さまざまな組織の細胞に障害が発生します。血管内皮細胞の障害によって傷の治りが悪くなります。また免疫系の働きの低下によって、細菌感染に対する抵抗力も低下します。
しかし、糖尿病の人でも、食事療法や内服薬の投与、あるいはインシュリン自己注射によって、血糖値が良好にコントロールされていれば、インプラント治療を受けることは可能です。その場合、手術の規模を最小化することにしています。

重い心疾患

息が上がって階段が登れない。枕を背中に敷かないと息苦しくて眠れない。いつも下肢がむくんでいるなどの症状がある人は、最初に内科医の診察を受ける必要があります。狭心症についても最近1〜2カ月発作がないか、あっても軽度な場合、そして心筋梗塞については発作後半年以上を経過している場合は、インプラント治療を行える可能性はあります。

ペースメーカーをご使用の方

一方、心臓弁膜症で人口弁置換術を受けた方や不整脈治療のために体内型ペースメーカーを入れている方は、口腔内の細菌がこれらの人工物に付着して、感染性心内膜炎を起こす危険性があるので避けたほうがよいと思います。

血液透析を受けるような重度の腎疾患

腎疾患の人は免疫力が低下していることが多く、傷が治りにくいので注意が必要です。とくに血液透析を受けている場合は、骨が脆くなっているのでインプラント治療の適応はありません。